

DeFi(分散型金融)の一種であるDEX(分散型取引所)では中央管理者である取引所を通さずに、ユーザー同士で直接取引が可能です。一般的な取引所と比べてセキュリティ性が高く、ハッキングを受けてもユーザーのウォレットに影響する心配がありません。
また本人確認が不要であることや、手数料がほとんどかからないなどといった優れた利便性から、今後はDEXが増えていくと考えられます。
本記事ではDeFiとして注目されるDEXの詳細を解説しています。おすすめのDEX銘柄も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- DEXには中央管理者が存在せず、ユーザー同士で直接取引ができる
- セキュリティ性が高く、発展途上国での普及にも期待が高まっている
- DEXに送金するためのイーサリアムを購入するならCoincheckがおすすめ
もくじ(タップでジャンプ)
- 話題のDEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)とは?
- DEX(Decentralized/Exchange)の種類
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の仕組み
- DEX(Decentralized Exxhange/分散型取引所)のメリット・利用がおすすめの理由
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)のデメリット
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の利用がおすすめな人の特徴
- 価値が上昇中!DEXのガバナンストークンとは?現在のチャートも
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)のおすすめランキング
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の使い方・登録方法
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の今後の将来性・見通しについて
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)を利用する際の注意点
- DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の使い方・おすすめの理由まとめ
話題のDEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)とは?
DEX(Decentralized Exchange)を日本語に訳すと、分散型取引所と表現されます。DEXには以下4つの特徴があります。
- 中央管理者のいないP2Pの仮想通貨取引所
- 主にイーサリアムネットワーク上で構築されるDeFiの1つ
- 2021年第1四半期のみで2,170億ドルの取引がされる規模へ成長する
- CEXと(Centralized Exchange/中央集権取引所)の違い
それぞれの特徴について、詳しく確認していきましょう。
中央管理者のいないP2Pの仮想通貨取引所
DEXは従来の取引所とは異なり、中央管理者の存在しない個人間(P2P)の仮想通貨取引所です。
従来の取引所はDEXに対してCEX(Centralized Exchange)と呼ばれ、特定の企業によって取引所が管理されています。CEXでは通貨の預け入れに必要な秘密鍵を、中央管理者が管理するのが一般的です。
対してDEXでは中央管理者を介することなく、ユーザー同士が直接的に取引を行います。秘密鍵に関しても各ユーザーが個別に管理するため、情報をハッキングされる心配がありません。

主にイーサリアムネットワーク上で構築されるDeFiの1つ
DEXのシステムはイーサリアムのスマートコントラクトを利用して構築されています。
スマートコントラクトとは、あらかじめ決められたルールに従って自動で取引や契約を行うプログラムです。DEXでは以下のプロセスをスマートコントラクトにより管理しています。
- 流動性の供給
- 取引の約定
- 違反者の自動利用停止
このためCoincheckなどの取引所のように中央管理者を必要とせず、ユーザー同士で直接的な取引が可能です。

2021年第1四半期のみで2,170億ドルの取引がされる規模へ成長する
DEXは2021年に入ってから第1四半期のみで、取引規模が2,170億ドルへと成長しています。2020年の第4四半期の取引規模が650億ドルであり、その成長率は約236%です。
短期間でここまで大きな成長を遂げた理由は、従来の取引所よりも大口の取引が行われていることが要因であると考えられています。
またDEXは規模の大きな暗号資産市場を持つ国で人気が高く、全般的なDeFiの成長率とリンクしながら取引量を拡大していることも特徴です。

参考:coindesk JAPAN「競争激化のなか、分散型取引所(DEX)が大幅に成長:チェイナリシス
CEXと(Centralized Exchange/中央集権取引所)の違い
DEXと似た言葉で、CEX(Cemtralized Exchange/中央集権取引所)があります。この2つの言葉を比べてみると、以下のような違いがあります。
DEX(分散型取引所) | CEX(中央集権型取引所) | |
特徴 | ・管理者が存在しない ・秘密鍵を利用者が管理する ・取引手数料は変動制 |
・管理者が存在する ・秘密鍵は取引所が管理する ・取引手数料は固定制 |
メリット | ・サーバーダウンによる利用停止が起きない ・取引所のトラブルやメンテナンスが発生しない |
・サポートを受けられる ・利用者が多く、取引しやすい |
デメリット | ・秘密鍵を自分で管理する手間や責任が発生する ・利用者が少なく、取引が成功しにくい ・法定通貨に未対応のケースも多い |
・取引所のトラブルやメンテナンスで、利用できないときがある ・ハッキングにより資産が失われるリスクがある |

DEX(Decentralized/Exchange)の種類
DEXには大きく分けてオーダーブック形式とAMM形式があります。オーダーブック形式はさらに、オンチェーン・オーダーブックとオフチェーン・オーダーブックに分かれるのが特徴です。
それぞれの違いを簡単に紹介しておきましょう。
- オンチェーン・オーダーブック:すべての注文がブロックチェーンに書き込まれる
- オフチェーン・オーダーブック:最終的な注文のみがブロックチェーンに書き込まれる
- AMM(オートメイテッド・マーケット・メーカー):オーダーブックを介することなくユーザー同士で取引を行う
DEXの形式は取引所ごとに異なっているので、取引所を利用する前に確認してみてください。

DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の仕組み
DEXでの取引はオーダーブック形式、またはAMM形式によって行われています。取引所によってどの形式が採用されているかが異なるため、自分で形式を選んで取引することはできません。
一般的にオーダーブック形式を採用する場合、売買注文のマッチングはオフチェーンで実施され、決済はオンチェーンで行われるのが特徴です。オーダーブック形式のDEXには以下があります。
- BitShares(ビットシェアーズ)
- 0x(ゼロエックス)
- dYdX(ディーワイディーエックス)
AMM形式が採用されたDEXでは、オーダーブックを必要とせずにユーザー同士で通貨の取引が可能です。2020年からAMM形式に注目が集まっており、現在では人気の形式として多くのDEXで採用されています。
AMM形式を採用したDEXは以下のとおりです。
- Binance DEX(バイナンスデックス)
- Uniswap(ユニスワップ)
- PancakeSwap(パンケーキスワップ)
参考:Crypto Basics「What Is Decentralised Exchange,DEX?」
DEX(Decentralized Exxhange/分散型取引所)のメリット・利用がおすすめの理由
従来の取引所のような中央管理者が存在しないDEXには、以下のようなメリットがあります。
- 仮想通貨の上場審査がなく豊富な種類の銘柄を取引できる
- 中央管理者がいないためハッキングリスクが少ない
- トレーダーの匿名性が担保されている
- 発展途上国でも使用可能
- CEXと比較して人件費などのコストが抑えられるため少ない手数料での利用が可能
- イールドファーミングなど通常のトレード以外での稼ぎ方もある
実際にDEXを利用する前に、どのようなメリットを受けられるか確認してみてください。
仮想通貨の上場審査がなく豊富な種類の銘柄を取引できる
DEXへの上場に審査はなく、従来の取引所と比較して豊富な種類の銘柄を取引できます。
例えば国内取引所で最も取り扱い銘柄数の多いCoincheckでは、20銘柄が取引可能です。対してDEXであるUniswapには1,000種類以上の銘柄が上場されています。
上場審査がないことから、誰でも簡単に通貨を上場させられるのが特徴です。このため今後の価値上昇に期待できるトークンを見つけたい方にも適しています。
ただし中には詐欺コインも混じっているので、安易な取引には注意が必要です。

中央管理者がいないためハッキングリスクが少ない
DEXには従来の取引所のように中央管理者が存在しておらず、イーサリアムのスマートコントラクトによって取引が行われています。
ユーザーの資産はそれぞれのウォレットに保管されており、取引に必要な秘密鍵もユーザー自身で管理するのが特徴です。このためDEXが外部からハッキングを受けても、秘密鍵の情報が漏れずユーザーの資産に影響を与える心配がありません。
またユーザー同士で直接取引することで、カウンターパーティーリスクを気にしないで済むこともメリットです。

トレーダーの匿名性が担保されている
DEXを利用するには本人確認の必要がなく、トレーダーの匿名性が担保されています。
一般的に取引所の口座開設では、運転免許証やパスポートによる本人確認が必要です。対してDEXでは資産を保管するウォレットを持っていれば、誰でもすぐに取引を始められます。
無料で提供されているMetaMaskなどのウォレットをDEXと連携すれば、面倒な手続きが必要ありません。DEXの中にはクリックひとつで取引を開始できるところがあるのも、大きなメリットでしょう。

発展途上国でも使用可能
DEXは銀行インフラが整っていない発展途上国でも利用が可能です。スマートフォンを持っていてインターネットに接続さえできれば、誰でもDEXを介して取引ができます。
世界銀行の調査では銀行口座を持たない成人の人口は17億人を超えています。発展途上国には従来の金融サービスを使えない方が多く、DEXはこの問題を解決する可能性を持った存在です。
また従来の金融サービスと比べて手数料も安いため、今後は発展途上国での普及に期待が集まっています。

CEXと比較して人件費などのコストが抑えられるため少ない手数料での利用が可能
CEXは、中央集権取引所での人件費やインフラにかかるコストが発生します。また、CEXは営利目的で運営されているため、利益を回収するためにユーザーから手数料を取っています。
一方でDEXは中央集権的な管理者が存在せず、営利目的でもありません。結果として、少ない手数料で利用可能です。

イールドファーミングなど通常のトレード以外での稼ぎ方もある
DEXでは、イールドファーミングなど通常の取引以外でも稼げます。イールドファーミングとは、DEX取引所に仮想通貨を預け入れてマーケットに流動性を提供することで、利息や手数料をもらう方法のことです。
銀行にお金を預けるよりもはるかに年利が良いため、多くの投資家から注目されています。

DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)のデメリット

DEXの利用には従来の取引所のように面倒な手続きがなく、国や地域を制限しない取引が可能です。DEXが普及することで大きなメリットを得られますが、利用にはデメリットも存在しています。
実際に取引を始める前に、以下3つのデメリットを確認しておきましょう。
- まだ使い方がわかりにくい側面がある
- スマートコントラクトに問題が発見されれば致命的
- 詐欺コインでも上場が可能となる
まだ使い方がわかりにくい側面がある
DEXの利用者はまだ少ないため、適切な使い方が明らかになっていません。中央管理者がいないことでサポートも得られないので、初心者にとっては使いにくい取引所です。
取引に必要な秘密鍵がわからなくなったり、誤って送金したりしても取引所による補償はなく、完全に自己責任となります。
またDEXに関する制度や法律も整っておらず、政府の方針によっては今後DEXの利用が制限される可能性もあるでしょう。

スマートコントラクトに問題が発見されれば致命的
DEXを利用した取引はイーサリアム上のスマートコントラクトに依存しています。このためスマートコントラクトに欠陥があれば、DEXのシステム自体が破綻してしまうでしょう。
従来の取引所のような中央管理者が存在しないが故のデメリットと言えます。
またスマートコントラクトは一度契約を実行すると、その後の変更が困難です。プログラム自体にミスがあれば脆弱性を突かれて、情報が悪用される可能性もゼロではありません。

詐欺コインでも上場が可能となる
上場審査がなく誰でも簡単に通貨を上場できることはDEXの魅力のひとつでしょう。
しかし裏を返せば、DEXには詐欺コインの上場も可能ということです。豊富な銘柄の中から選んで取引できるのはメリットですが、選ぶ通貨を間違えると一瞬にして資産を失う可能性もあります。
特にDEXは金融庁の認可を受けていないため、詐欺コインの被害に遭ってもすべて自己責任です。マイナー通貨の中から将来性に賭けて投資をする方もいますが、怪しい通貨にはできるだけ手を出さないようにしてください。
また徐々に知名度が上がってきてはいるものの、まだ参加しているユーザーが少ない点もデメリットと言えるでしょう。ただこの点は今後参加者が増えていくにしたがって解消され、流通量も増加していくことが予想されます。

DEX(Decentralized Exchange/分散型取引所)の利用がおすすめな人の特徴

DEXは以下のような方におすすめです。
- 大手取引所FTXの経営破綻などからCEXへ不信感がある人
- あくまでも自分自身で仮想通貨を管理しハッキングのリスクを抑えたい人
最近では大手取引所が破綻している例からも、個人で資産を守るためにDEXへ流入する方は多いです。
大手取引所FTXの経営破綻などからCEXへ不信感がある人
2022年11月には大手取引所のFTXが、不正な資金移動を火種に経営破綻しました。どんなに大きなCEXでも、経営破綻するリスクはあります。
そして経営破綻した場合、預けていた資産が戻らないことも多いのです。せっかく資産運用で稼いだ資産が、取引所の経営破綻により、一夜にして消えるのです。

あくまでも自分自身で仮想通貨を管理しハッキングのリスクを抑えたい人
過去には">Coincheckでもネムコインの流出があったように、CEXにはハッキングのリスクがあります。仮想通貨は電子情報であるため、ハッキングされてしまうと簡単に流失します。
ハッキングが怖いと言う方はCEXに大事な資産を預けず、DEXがおすすめです。

価値が上昇中!DEXのガバナンストークンとは?現在のチャートも
DEXには注目が集まっており、各取引所が発行するトークンの価値も上昇中です。
ここでは勢いのあるトークンとして以下の3銘柄を紹介します。
- Uniswap(UNI)
- PancakeSwap(CAKE)
- SushiSwap(SUSHI)
上記3つのトークンを発行するDEXはAMM形式を採用しています。このためDEXに通貨を預けることで、対価としてそれぞれUNI・CAKE・SUSHIの受け取りが可能です。
また3つのトークンはDEXが注目されたことで、2021年に入ってから価格が大きく上昇しています。今後DEXが普及すれば、トークンの価値上昇にもさらに期待できるでしょう。
