イーサリアムは上昇傾向が続いており、多くの人々の注目を集めています。「ビットコインよりもイーサリアムが気になるけど、購入を決めかねている」という方も多いでしょう。イーサリアムを始めるなら、過去の値動きやこれからの見通しを踏まえた上で運用したいところです。
そこで今回は、イーサリアム(ETH)が価値上昇した経緯をおさらいしつつ、イーサリアムの今後の展望について解説します。基礎知識をしっかり身につけて、最適なタイミングでイーサリアム運用をスタートしましょう!
- イーサリアムは「スマートコントラクト」などの独自性から価値が高まった。
- 0.8ドルからスタートし、2021年には2,500ドル台を推移。今後のさらなる大型アップデートを控え、さらなる価値上昇が見込まれており注目度が高い。
- 国内取引ペア数No.1のHuobi Japanが人気。世界大手の仮想通貨取引所グループで取引量も多い。
もくじ(タップでジャンプ)
- イーサリアム(ETH)の将来性を決める要素は?時価総額2位の仮想通貨をおさらい
- イーサリアム(ETH)の2015年リリースから2021年までの価格推移とイベント予想
- 2015年:イーサリアムリリース、0.8ドルからスタートし、0.9ドルで落ち着く
- 2016年:6月中旬に20.5ドルをマーク。その後ハッキング被害もあり8ドルで着地する。
- 2017年:イーサリアムにとって歴史的な年になる。800ドル台を記録
- 2018年:2017年からも伸び続け、1,400ドルをマークした時期も。ただし、140ドルで落ち着く。
- 2019年:160〜180ドルを推移。ビットコイン1,000ドル突破を受け、280ドルまで上昇。
- 2020年:1年を通して190〜200ドル前後を推移。大きな上振れはなし。
- 2021年:2021年に入ってから価格が急騰、4,000ドルをマークし、2,500ドル台を推移。
- 【2021年】イーサリアム(ETH)はビットコインを超える?今後の展望・見通し
- イーサリアムの2021年〜2025年までを予想
- イーサリアム(ETH)の今後の展望・将来性まとめ
イーサリアム(ETH)の将来性を決める要素は?時価総額2位の仮想通貨をおさらい
通貨名 | イーサリアム |
シンボル | ETH |
注目度 |
|
時価総額 | 約5000億ドル |
公式HP | https://ethereum.org/ja/ |
イーサリアムは2014年に販売が始まった仮想通貨で、アルトコインの中でも代表的な通貨の1つです。ビットコインとは違って発行枚数の上限がなく、性質も大きく異なります。
※アルトコイン…ビットコイン以外の仮想通貨の総称
- スマートコントラクト機能
- Dapps(分散型アプリケーション)を開発可能
- 新しいトークンを発行できる
スマートコントラクトとは、取引や送金を自動化できる技術を指します。ブロックチェーン上にあらかじめ契約情報を記載しておき、条件が成立次第自動で契約が執行されるシステムです。
※ブロックチェーン…一定期間の取引データをブロック単位でまとめて繋いで蓄積する仕組み
Dapps(ダップス)とは、中央管理者が存在しないアプリケーションのことです。管理会社を通さずにアプリケーションを運営できるため、内部側の不正を心配する必要もなく、安価にセキュリティを強化できます。
トークンとはブロックチェーン上での仮想通貨を指します。イーサリアムの「ERC20」という規格を利用すれば、イーサリアムのプラットフォーム上で簡単に新しいトークンを発行可能です。
※プラットフォーム…ソフトウェアが動作するための土台
ここからは、イーサリアムの将来性を左右すると考えられる3つの要素について、詳しく解説します。
DeFi市場の成熟によるイーサリアム(ETH)の価値上昇
イーサリアムのスマートコントラクトが金融分野にて実装され、管理者不在の分散型金融システムが広く普及しました。
銀行のような運営主体がなく、用意されたプログラム上でユーザー同士が直接取引できます。資産の移動に金融機関を挟まずに済むため、コストを抑えつつスピーディな金融資産取引が可能です。
代表的なDEX(デックス・分散型取引所)のうち、特にUniswap(ユニスワップ)が著しい伸びを見せています。プロトコル(取り決め・手順)によって自動化されており、ほとんど手数料なしでユーザー自身がトークンの取引を行えるため、世界中の人々に利用されるようになりました。
Uniswapが伸びたことで、DeFi市場は大きく発展しました。その結果、DeFiのベースとなっているイーサリアムの価値が上昇したのです。
スマートコントラクトの普及による価格上昇
スマートコントラクトは金融分野に加え、さまざまな分野で活用が期待されています。ブロックチェーン上で簡単に契約できる性質を生かし、不動産売買やマーケットプレイス、ギャンブルなどの分野で開発が進んでいます。
スマートコントラクト技術を応用したDapps(分散型アプリケーション)として挙げられるのは、「Cryptokitties(クリプトキティーズ)」というゲームです。イーサリアムを通貨として猫のデータをやりとりするゲームで、ゲームをしながら現実的に資産を増やせるのが特徴です。猫のデータを約1400万円で取引したケースもあり、にわかに注目を集めています。
各分野でスマートコントラクトの実用化が進むと予想されており、基盤となるイーサリアムの価値も高まっています。
名だたる多くの大企業のイーサリアム企業連合(EEA)参画
イーサリアムの技術を推進・普及するため、「イーサリアム企業連合(EEA・Ethereum Enterprise Alliance)」が結成されました。世界的企業を含む500以上の企業が参加しており、イーサリアムへの期待値の高さがうかがえます。
- TOYOTA(トヨタ)
- Microsoft
- インテル
- KDDI
- アクセンチュア
- JPモルガン など
これらの超有名企業がバックについていることもあり、イーサリアムは世界的に信頼を得るようになりました。
イーサリアム(ETH)の2015年リリースから2021年までの価格推移とイベント予想
イーサリアムの価格が大きく変動した局面において、どのようなイベントが発生していたのかを理解すれば、イーサリアムの今後の展望がつかみやすくなります。
ここからは、イーサリアムが誕生してから現在に至るまでの価格推移について見ていきましょう。
2015年:イーサリアムリリース、0.8ドルからスタートし、0.9ドルで落ち着く
引用:CoinGecko
イーサリアムは2013年に誕生しました。当時のホワイトペーパーによると、イーサリアムは「ブロックチェーンを利用したDappsを開発しやすくするプラットフォーム構築」を目的としていると説明がなされています。
2014年にイーサリアムのICOが実施され、5,000万以上のイーサを販売したところ、25,000BTC以上の資金を調達することに成功しました。※イーサ…イーサリアムを使用する際の仮想通貨
2015年5月、一般公開前にテスト環境にてプレリリースされました。この時点ではまだマイニングはできず、イーサの取引もできませんでした。※マイニング…取引データを承認する作業
2015年7月、「フロンティア」によって正式にリリースされました。この時点でマイニングやアドレス間の資金移動・契約作成、トランザクションの送信が可能となっています。※トランザクション…複数の不可分の取引処理
リリース直後には0.8ドルをマークしました。バグ発生時に巻き戻しを可能とするテスト段階だったため、ブロックチェーンにはあえて記録できないようになっています。
2016年:6月中旬に20.5ドルをマーク。その後ハッキング被害もあり8ドルで着地する。
引用:CoinGecko
2016年3月、2度目のアップデートとなる「ホームステッド」が実施されました。ブロックチェーンへの取引・契約の記録が始まり、多くの企業や開発者がイーサリアムプロジェクトをスタートさせました。
価格が急騰したのは2016年の4~6月です。大規模プロジェクト「The DAO」のICOにおいて、イーサリアムが活用されたのが急騰の理由だと考えられています。6月には20.5ドルの値をつけました。
※ICO…仮想通貨の新規発行による資金調達方法のひとつ。あるプロジェクトに賛同する投資家が新たに発行された仮想通貨を既存の仮想通貨で購入する
しかし、直後にTheDAO事件と呼ばれるイーサ盗難事件が発生します。TheDAOのシステムの脆弱性を突かれた事件でしたが、多くの投資家がイーサリアムのセキュリティ面を疑問視し、イーサリアムの価値は大幅に下落しました。
この事件を機にイーサリアムは分裂し、新ブロックチェーンによるイーサリアムと、分岐前のブロックチェーンを用いるイーサリアムクラシックに分岐しました。
2017年:イーサリアムにとって歴史的な年になる。800ドル台を記録
引用:CoinGecko
2017年2月にEEA(エンタープライズ向けイーサリアムの標準化を目指す非営利団体)が発足したことを受け、企業によるイーサリアム活用の流れが生まれます。
価格は順調に伸びていましたが、2017年の6月にはイーサリアム利用増加に伴う取引遅延障害が発生し、価格が反落しました。同年7月に起きた「Parity(パリティ)ウォレット」からイーサリアムが盗難された事件も、価格下落の一因とされています。
価格が一気に高騰したのは2017年10月、「メトロポリス」アップデートの第一段階となる「ビザンチウム」の実装によるものです。スマートコントラクト機能が一般の利用者も使用できるようになった上、プライバシー保護技術の採用によって契約内容が第三者から確認できないようになりました。
2018年:2017年からも伸び続け、1,400ドルをマークした時期も。ただし、140ドルで落ち着く。
引用:CoinGecko
2018年1月には1,400ドルをマークするものの、その後の価格は下落傾向が続き、2018年末には140ドルほどで落ち着きました。
下落が続いた理由は「ビットコインバブル」と「ICO規制問題」によるところが大きいです。2018年はビットコインの価格が下落した年で、その影響でイーサリアムも含んだアルトコインも一斉に価格を下げました。
また、中国によるICO規制も向かい風でした。他国でもICO規制の流れが進み、ICOに利用されることが多かったイーサリアムは価値が下がったと考えられています。
2019年:160〜180ドルを推移。ビットコイン1,000ドル突破を受け、280ドルまで上昇。
引用:CoinGecko
2019年2月、「メトロポリス」アップデートの2段階目となる「コンスタンティノープル」が実装されました。アップデートによってGasコストの削減やプロセスの効率向上などが図られ、実装後に価格が上昇に転じました。
※Gas…1つの計算ステップの単位
また、ビットコインが再び上昇トレンドに乗り、価格通貨全体の気運が高まったことも相まって、イーサリアムも価格が上昇したと予想されています。イーサリアムブロックチェーンの1日あたりの決済額は、約25億ドルまで増加しました。
2020年:1年を通して190〜200ドル前後を推移。大きな上振れはなし。
引用:CoinGecko
2019年12月には「メトロポリス」アップデートの3段階目となる「イスタンブール」が、2020年1月には「ミューア・グレイシャー」のアップデートが行われました。一旦は価格が上昇トレンドとなります。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、市場全体が落ち込みを見せました。2020年3月には仮想通貨全体の価格が下落しています。
同年7月からは価格が上昇に転じます。DeFiやNFT(非代替性トークン)などの人気も追い風となり、堅調な価格へと落ち着いていきました。
2021年:2021年に入ってから価格が急騰、4,000ドルをマークし、2,500ドル台を推移。
引用:CoinGecko
2020年12月1日に「セレニティ(イーサリアム2.0)」の第一段階のアップデートが実装され、2021年初頭に価格が急騰しました。仮想通貨が注目を浴びていることもあり、順調に価格が上がっています。2021年5月には過去最高値の4,380ドルをマークしました。
同年5月、仮想通貨全体が大荒れ相場となり、ビットコインは35%の下落を迎えました。その中でイーサリアムは最大64%のプラスと35%のマイナスを経験し、結果的には3%のマイナスで乗り切ることに成功しています。
【2021年】イーサリアム(ETH)はビットコインを超える?今後の展望・見通し
イーサリアムは成長が著しく、2021年5月には時価総額が5000億ドルを超えました。多くの投資家や企業から注目を集めているイーサリアムですが、今後の持続的に伸びていくかどうかは気になるところです。
ここからは今後の展望について見ていきましょう。
ビットコイン(BTC) の価格上昇に合わせた価値上昇
かつてはビットコインの価値が変動すると、他のアルトコインも連動するように値動きしてきました。仮想通貨は今なお相関関係が強いため、仮想通貨市場が盛り上がりを見せていけば、それに伴ってイーサリアムの価値も上がることが予想されます。
機関投資家がビットコインの取引に参入し、2銘柄目としてイーサリアムを購入している点も見逃せません。潤沢な資金が流れ込むことが予想されています。
イーサリアム(ETH)の大型アップデートに期待
最終アップデートの「セレニティ」を控えており、大型進化が期待されています。
マイニング方式が変わるため、ネットワーク維持にかかるコストが大幅に削減されると予想されています。スケーラビリティ(拡張性)も改善されるため、需要がさらに伸びる可能性があるのです。
イーサリアムが過去に行った3つのアップデートの際は、価値が大きく上昇しました。実用性を高めるアップデートは買い手にとってポジティブな要素となり、購入につながりやすいです。
「セレニティ(イーサリアム2.0)」の1段階目のアップデートは2020年12月に実施されました。アップデートの完了によって大幅な上昇が予想されるため、値動きを見つつ値上がり前に購入したいところです。
イーサリアムETFの承認の普及
ETFに承認されれば、これまで仮想通貨投資をしていなかった投資家が参入する可能性があり、価値が上昇すると予想できます。
カナダでは2021年4月にイーサリアムのETFが承認されました。世界的にイーサリアムETFの承認が普及すれば、イーサリアムの取引はさらに拡大するでしょう。
イーサリアムの2021年〜2025年までを予想
さまざまな特徴や価格上昇の歴史をもつイーサリアムですが、今後はどのように値動きするのでしょうか。ここからは、投資家や関連会社による価格予想を紹介します。
2022年には4,000ドル台を再びマークするとの海外投資家の声あり
仮想通貨の価格予想サイトである「Wallet Investor」は、2021年の末に2,900ドル前後、2022年には4,000ドル台をマークすると予想しています。
海外サイトの「CoinCodex」は、2021年に平均3,722ドル、2022年に4,650ドルに上昇するという予測を出しています。
海外サイト「the Economic Forecast Agency」は、2021年6月末までに2,639ドルに下がり、年末までに6,247ドルまで上昇するという強気な予想です。2022年10月には10,997ドルでピークを迎えると見積もっています。
参考サイト:capital.com
順調に価格を推移、2025年には9,200ドル台と予想する声も
「Wallet Investor」は、イーサリアムが2025年の末までに9,202ドルに達すると予想しています。
また、「CoinCodex」の予想は平均8,047ドルです。
一方、「the Economic Forecast Agency」は、2022年以降イーサリアムは下落に転じると予想しており、2024年の末には4,118ドルに下がると予想を出しています。
2028年には10,000ドルを突破。日本円で100万円の価値になるという投資家もいる。
「CoinCodex」は長期的な値上がりを予想しており、2028年には11,671ドルまで上昇すると予測しています。
イーサリアム(ETH)の今後の展望・将来性まとめ
イーサリアムは「スマートコントラクト」や「ERC20」など、拡張性の高い技術が注目を集めている仮想通貨です。DeFi市場の成熟やEEAによるバックアップも追い風となり、今後も上昇傾向を続けると予想されます。
価格変動の歴史を振り返ると、アップデート前後で大きな値上がりを見せてきたことがわかります。最終アップデートの「セレニティ」を控えており、さらなる値上がりが予想されるため、価値が上がる前に購入を狙いましょう。
これから運用を始めるなら、簡単にイーサリアムを購入できるHuobi Japanが便利です。スマホアプリの操作性が良いため、急な価格変動にも対応しやすく、多くの人に利用されています。
値上がり前の買い時を見逃さずに、イーサリアム運用を始めてくださいね!
- イーサリアムは「スマートコントラクト」などの独自性から価値が高まった。
- 0.8ドルからスタートし、2021年には2,500ドル台を推移。今後のさらなる大型アップデートを控え、さらなる価値上昇が見込まれており注目度が高い。
- 国内取引ペア数No.1のHuobi Japanが人気。世界大手の仮想通貨取引所グループで取引量も多い。

(監修者) 竹下 晶成 https://fptakeshita.jimdofree.com/
日本FP協会会員(CFP)、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、スカラシップアドバイザー 竹下FP事務所代表、㈱メディエス代表取締役、TAC専任講師。立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。サラリーマン投資家として不動産賃貸業をスタート、その後、卒サラ。現在は大家業をメインに講師や執筆活動、相談業務でのんびりと過ごしています。