イーサリアムは無限の可能性を秘めた仮想通貨ですが、注目度が高いだけに手数料の高騰や処理遅延といった問題が指摘されています。
そのため、アップデート前後の時期には注目が集まります。2020年12月のアップデート前後には、価格が約6万円から11万円台まで高騰しました。
今回は、イーサリアム2.0の内容やアップデートの詳細を分かりやすく解説します。
- イーサリアム2.0の最終アップデートが完了すれば、スケーラビリティ問題(手数料の高騰・処理速度の低下)が克服される。
- 過去の大規模アップデート時期に価格の高騰を経験しており、最終アップデートへの期待値も高い。
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もくじ(タップでジャンプ)
- イーサリアム(ETH)とは?
- 今後大注目のイーサリアム2.0とは?
- イーサリアム2.0へのアップデート予定日
- イーサリアム2.0は新通貨となるの?
- 2022年現在・これまでのイーサリアムアップデートの歴史
- 2013年11月27日:ヴィタリックブテリン氏によるホワイトペーパーの発表
- 2014年4月1日:ギャビンウッド博士によるイーサリアムプロトコルを記したイエローペーパーの発表
- 2014年7月22日〜9月2日:イーサリアムの売買開始
- 2015年7月30日:フロンティア(Frontier)アップデート開始
- 2015年9月7日:少しの変更を加えたフロンティアソーイング(Frontier Thawing)アップデート開始
- 2016年3月14日:ホームステッド(Homestead)アップデートの開始
- 2016年7月20日:DAO攻撃を受け、イーサリアムクラシックとのハードフォークがされる
- 2016年10月18日:タンジェリンホイッスル(Tangerine Whistle)の実施
- 2016年11月22日:スプリアスドラゴン(Spurious Dragon)アップデートの開始
- 2017年10月16日:ビザンチン(Byzantium)アップデート実施
- 2019年2月28日:コンスタンティノープル(Constantinople)アップデート開始
- 2019年12月8日:イスタンブール(Istanbul)アップデート開始
- 2020年1月2日:ミュアーグレイシア(Muir Glacier)アップデート開始
- 2020年10月14日:ステーキングサービスが実装される
- 2020年12月1日:ビーコンチェーンが実装される
- 2021年4月15日:ベルリン(Berlin)アップデート開始
- 2021年8月5日:ロンドン(London)アップデート開始
- 2021年10月27日:アルタイル(Altair)アップデート開始
- イーサリアム(ETH)のこれまでの価格変動とアップデートの相関性
- イーサリアム2.0へのアップデートはイーサリアムの価値を更に高めると期待!
イーサリアム(ETH)とは?
イーサリアムはビットコインに次ぐ時価総額2位の仮想通貨で、アルトコインの中でも抜群の知名度を誇ります。
金(ゴールド)のような資産としての地位を築いているビットコインに対し、イーサリアムはあらゆるネットワークのインフラとなり得るプラットフォームとして、急速に普及しています。
- スマートコントラクト…取引や送金を自動化。ブロックチェーン上に取引の履歴が公開される
- Dapps(分散型アプリケーション)…中央管理者が存在しないアプリケーションを開発可能。データ改ざんのリスクを減らせる
- 新しいトークンを発行可能…イーサリアムのプラットフォームを使い、独自のブロックチェーンを持たない新しい仮想通貨を簡単に発行できる
今後大注目のイーサリアム2.0とは?
代表的な仮想通貨の1つであるイーサリアムは、イーサリアム2.0の完了によって更なる発展を遂げることが予想されています。
- イーサリアム2.0は課題解決のためのアップデート
- PoWからPoSへ変化
- シャーディングの実装
イーサリアム(ETH)が抱える課題を解決するためのアップデート
手数料の高騰や処理速度の低下などのスケーラビリティ問題を解決するため、イーサリアムは限界を克服するためのアップデートが開発されています。
イーサリアム2.0は2020年12月に実装され、4段階のフェーズを経て移行される予定です。
コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSへ変わる
- PoW(プルーフオブワーク)…直訳すると「仕事の承認」。マイニング(ブロックチェーンのデータ計算作業)を行い、最も素早く答えを出せた者が取引の承認者となる
- PoS(プルーフオブステーク)…Stake(保有する)。仮想通貨の保有量が多いほど、承認者になれる可能性が上がる
従来のPoWは、データ計算作業による膨大な電力消費が問題となっています。マイニングは計算マシンを何百台も用意できる組織しか参加できない作業で、権力の集中も危惧されています。
シャーディングの実装
「シャードチェーン」と呼ばれる複数のブロックチェーンにデータ処理を分散させ、スケーラビリティ問題を解決する技術がシャーディングです。
取引の承認にかかる負荷が減り、検証スピードが向上するため、イーサリアムの混雑解消につながります。
イーサリアム2.0へのアップデート予定日
イーサリアム2.0のアップデートに伴うスケジュールは以下の通りです。4段階のフェーズを経て、段階的にアップデートが実行されます。
開始時期 | 特徴 | |
フェーズ0 | 2021年12月1日 | ビーコンチェーンの実装・PoSの導入段階 |
フェーズ1 | 2021年予定 | シャードチェーン導入 |
フェーズ1.5 | 2022年以降 | メインネットをシャードチェーンに移行 |
フェーズ2.0 | 2022年以降 | シャードチェーンがすべて稼働 |
フェーズ0:ステーキングの実装。すでに開始済み。
2020年12月1日、イーサリアム2.0「フェーズ0」の運用が開始しました。ステーキングが可能となり、ステーキング参加者には報酬が支払われます。
- 一定量のイーサリアムを保有することで報酬が得られるシステムのこと。
- ステーキングに参加するとイーサリアムにロックがかかり、一定期間まで引き出せなくなる
- イーサリアムのステーキングには32ETH(約1,600万円※)が必要
※2021年11月12日現在
フェーズ1移行は2022年以降の予定か
フェーズ1では64の「シャードチェーン」が導入されます。シャードチェーンにデータ処理を分散できるようになり、処理速度が大幅に改善される予定です。
フェーズ1.5に到達すると、イーサリアム1.0の「PoWチェーン」と、イーサリアム2.0の「PoSチェーン」が接続されます。なお、PoWはフェーズ1.5まで稼働を続けると明言されています。
公式声明では2022年の第二四半期までにPoSへの移行を目指している
PoSへの移行は2022年の第二四半期までに行われる予定です。
「スケーラビリティ問題の改善」「セキュリティの強化」「環境問題への対応」など、イーサリアムが大きな変化を遂げることが予想されています。
イーサリアム2.0は新通貨となるの?
イーサリアム2.0のアップデートが完了すれば、イーサリアムの処理能力は格段に向上します。イーサリアムを用いたサービスが拡大し、イーサリアムの価値が大きく上昇するかもしれません。
一方で、ビットコインは「リリース直後からほぼ完成された仮想通貨」であり、正確に稼働する資産としての強みがあります。
2022年現在・これまでのイーサリアムアップデートの歴史
イーサリアムは多種多様な出来事を乗り越え、現在の地位を確立した仮想通貨です。以下の4つのアップデートによって、イーサリアムは進化を遂げてきました。
- フロンティア
- ホームステッド
- メトロポリス
- セレニティ
ここからは、イーサリアムの歴史について、各アップデートの特徴とともに解説します。
2013年11月27日:ヴィタリックブテリン氏によるホワイトペーパーの発表
施行日 | 2013年11月27日 |
特徴 | イーサリアムの誕生 |
2013年、当時19歳だったヴィタリック・ブテリン氏によってイーサリアムは考案されました。
当時のホワイトペーパーによると、イーサリアムは「ブロックチェーンを利用したDapps(分散型アプリケーション)を開発しやすくするプラットフォームの構築」を目的に作られたと記されています。
2014年4月1日:ギャビンウッド博士によるイーサリアムプロトコルを記したイエローペーパーの発表
施行日 | 2014年4月1日 |
特徴 | 学術的に定義 |
イーサリアムの共同創設者であるギャビンウッド博士は、イーサリアムのスマートコントラクトについて定義したイエローペーパーを発表しました。
2014年7月22日〜9月2日:イーサリアムの売買開始
施行日 | 2014年7月22日~9月2日 |
特徴 | イーサリアムの販売開始 |
イーサリアムはICOを行い、2週間で5,000万以上のイーサリアムを販売しました。その結果、約1,800万ドル(約18億円)のビットコイン調達に成功しています。
2015年7月30日:フロンティア(Frontier)アップデート開始
名称 | フロンティア |
施行日 | 2015年7月30日 |
特徴 | 開発者向けアップデート |
フロンティアアップデートによって、イーサリアムが一般公開されました。この時から、マイニングやアドレス間の資金移動が可能となりました。
バグの発生を考慮した開発者向けのアップデートとなっており、あえてブロックチェーンへの記録ができない仕様となっています。
2015年9月7日:少しの変更を加えたフロンティアソーイング(Frontier Thawing)アップデート開始
名称 | フロンティアソーイング |
施行日 | 2015年9月7日 |
特徴 | フロンティアアップデートの修正 |
フロンティアアップデートによって見つかった問題に対し、修正を入れるアップデートが実施されました。
2016年3月14日:ホームステッド(Homestead)アップデートの開始
名称 | ホームステッド |
施行日 | 2016年3月14日/12ドル |
特徴 | イーサリアムが本格始動 |
「開拓地」の意味を持つホームステッドアップデートが行われ、イーサリアムは本格的に始動しました。利便性の向上、ガス代の引き上げなどが行われ、取引スピードが大幅にアップしました。
2016年7月20日:DAO攻撃を受け、イーサリアムクラシックとのハードフォークがされる
名称 | DAO攻撃によるハードフォーク |
施行日 | 2016年7月20日/12ドル |
特徴 | イーサリアムが分岐 |
2016年6月、イーサリアムがハッキングされる「The DAO事件」が起こります。イーサリアムを利用したプロジェクト「The DAO」のシステム欠陥を突き、50億円相当のイーサリアムが盗まれました。
事件を受け、イーサリアムはブロックチェーンを盗まれる前の状態まで巻き戻し、ハードフォークを実施します。
巻き戻しに賛同しなかった人々は、イーサリアムから分岐した「イーサリアムクラシック」の運営を開始しました。
2016年10月18日:タンジェリンホイッスル(Tangerine Whistle)の実施
名称 | タンジェリンホイッスル |
施行日 | 2016年10月18日/12ドル |
特徴 | サイバー攻撃への対策 |
2016年9月~10月にかけて、イーサリアムは悪意ある第三者からスパム攻撃を仕掛けられます。これを受けて、手数料(GAS代)の仕様を変更する措置を行いました。
2016年11月22日:スプリアスドラゴン(Spurious Dragon)アップデートの開始
名称 | スプリアスドラゴン |
施行日 | 2016年11月22日/9ドル |
特徴 | サイバー攻撃への対策 |
サイバー攻撃への2度目の対策として、スパム攻撃を防止する調整が行われました。スパム攻撃によって膨れ上がったデータ量を減らす措置も実行されています。
2017年10月16日:ビザンチン(Byzantium)アップデート実施
名称 | ビザンチウム |
施行日 | 2017年10月16日/334ドル |
特徴 | メトロポリスアップデートの第1弾 |
フロンティア・ホームステッドに続く第3の大規模アップデート、「メトロポリス」の運用が始まりました。メトロポリスは「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」の2段階で構成されています。
ビザンチウムアップデートによって、マイニング(データ計算作業)の難易度・報酬の調整が行われました。その結果、決済時間の短縮化に成功しています。
また、利用者のプライバシーを守るための変更も行われました。
2019年2月28日:コンスタンティノープル(Constantinople)アップデート開始
名称 | コンスタンティノープル |
施行日 | 2019年2月28日/136ドル |
特徴 | メトロポリスアップデートの第2弾 |
メトロポリスアップデートの第2弾となる「コンスタンティノープル」によって、コスト削減や速度向上に関する調整が入りました。PoWからPoSへの移行を視野に入れて、段階的にアップデートされています。
後の「セレニティアップデート」で実装されるPoSへの準備として、ネットワークを安定稼働するための措置が取られました。
2019年12月8日:イスタンブール(Istanbul)アップデート開始
名称 | イスタンブール |
施行日 | 2019年12月8日/151ドル |
特徴 | 各機能の調整・仕様変更 |
「イスタンブール」によって、特定の仮想通貨との相互運用性の改善、手数料(GAS代)の仕様変更などが行われています。
不正アクセスに対し、安全性を向上する措置も取られました。
2020年1月2日:ミュアーグレイシア(Muir Glacier)アップデート開始
名称 | ミュア・グレイシャー |
施行日 | 2020年1月2日/127ドル |
特徴 | イスタンブールの調整アップデート |
「ミュア・グレイシャー」はイスタンブール・アップデートの補助的な役割を持っています。
取引の実行速度・待機時間などに調整が加えられました。
2020年10月14日:ステーキングサービスが実装される
施行日 | 2020年10月14日/379ドル |
特徴 | ステーキングの実装 |
2020年10月、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)の要となるステーキングが実装されました。
ステーキングとは、仮想通貨を自由に動かせない「ロック状態」にして、ネットワーク維持を助ける見返りに報酬を得る仕組みです。
2020年12月1日:ビーコンチェーンが実装される
施行日 | 2020年12月1日/586ドル |
特徴 | セレニティアップデート(フェーズ0) |
2020年12月、イーサリアムはセレニティアップデートを開始しました。フェーズ0ではビーコンチェーンが実装されています。
ビーコンチェーンはイーサリアム2.0(PoS)での中核を担うブロックチェーンです。セレニティが完了するまでは、現行のイーサリアム(PoW)と並行して稼働します。
2021年4月15日:ベルリン(Berlin)アップデート開始
名称 | ベルリン |
施行日 | 2021年4月15日/2454ドル |
特徴 | ガスコストの調整 |
「ベルリン」によって、ガスコストの調整やネットワークの向上といった措置が取られました。開発者向けのアップデートという側面を持ち、各種の調整がメインとなっています。
2021年8月5日:ロンドン(London)アップデート開始
名称 | ロンドン |
施行日 | 2021年8月5日/2621ドル |
特徴 | バーン(Burn)の導入 |
「ロンドン」は手数料(ガス代)の緩和に関連するアップデートです。バーンが導入され、イーサリアムの供給量を減らすことで価値の安定を図っています。
2021年10月27日:アルタイル(Altair)アップデート開始
名称 | アルタイル |
施行日 | 2021年10月27日/4024ドル |
特徴 | ビーコンチェーンのアップグレード |
「アルタイル」によって、ビーコンチェーンの機能がアップグレードされました。イーサリアムをステーキングしている人向けの調整で、一般の利用者には影響しないアップデートとなっています。
イーサリアム(ETH)のこれまでの価格変動とアップデートの相関性
仮想通貨はアップデート前後に価格が上昇する傾向にあります。新機能の実装や問題の改善が行われるため、「買いたい!」と考える人が増えるからです。
実際に、イーサリアムは過去の大規模アップデート時期に高騰しています。
- ホームステッドアップデート前後…約500円→約1,600円
- ビザンチウムアップデート前後…約5万円→約16万円
- セレニティアップデート前後(フェーズ0)…約6万円→約11万円
最終アップデートのセレニティ(イーサリアム2.0)を控え、イーサリアムへの期待度は高まっています。
イーサリアム2.0へのアップデートはイーサリアムの価値を更に高めると期待!
今後のアップデートによって、イーサリアムは更なる進化を迎えます。値上がり前のチャンスを逃さず、タイミングよく購入するのがベストです。
- スケーラビリティ問題の解決…手数料の高騰や処理速度の遅延を解決
- PoWからPoSへ移行…環境問題(電力消費)の改善・権力集中を防ぐ
- シャーディングの実装…処理作業を分散させ、イーサリアムの混雑解消を図る
イーサリアムの購入には、積み立てサービスやNFTの取扱いがあるCoincheckがおすすめです。
イーサリアム上昇を見込んだ収益獲得を検討しているなら、値上がり前のタイミングでの購入がおすすめです。記念すべきアップデートの日を後悔なく迎えることができるでしょう。
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(監修者)柴沼 直美 https://caripri.com/
CFP(R)認定者 生命保険会社勤務を経て渡米。MBAファイナンスを修得後、アナリスト・機関投資家として活動したのち、3人の子育てと親の介護のため家庭に入り以後フリーで活動。不動産投資から教育費捻出、介護施設入所手続きなど多くの経験を踏まえたリアルなアドバイスを提供いたします。