

OpenSeaはNFTを手軽に売買できるサービスで、日本人の方も多く利用しています。しかし、「OpenSeaのガス代が高すぎる・・・」と言った声を聞いたことがある方も多いかもしれません。
ガス代を意識せずにNFT取引を繰り返していると、思った以上に費用が掛かってしまうケースもあります。
この記事では、ガス代が発生する理由やタイミングを解説しつつ、主要NFTマーケットプレイス毎のガス代を比較し、ガス代を安く抑える方法も解説していきます。
NFT取引でのガス代を少しでも抑えたい方は、参考にしてください。
- ガス代は、イーサリアムチェーン利用時に発生する手数料で、需要量によって変化する。
- NFTマーケットプレイスを利用するにはイーサリアムが必要。
- イーサリアムを購入するにはCoincheckがおすすめ!
もくじ(タップでジャンプ)
NFTのガス代とは?なぜ発生する?

ガス代とは、イーサリアムチェーンを利用したときに発生する手数料です。
OpenSeaもイーサリアムチェーンを利用しているため、OpenSeaを利用することで手数料が発生します。
ブロックチェーンは自律分散的な思想で作られているため、なぜ手数料が必要なのか疑問に思われる方もいるかもしれません。手数料は、ブロックチェーン上で取引データが正しいことを証明する作業者への報酬となります。

NFTのガス代が発生するタイミング


NFTのガス代が発生しうるタイミングとしては、以下の3つが挙げられます。
どのタイミングでガス代が発生するかを覚えておき、取引回数が多くなりすぎないように注意しましょう。
- イーサリアムの送受金をするとき
- NFTの売買を行うとき
- NFTを発行するとき
あわせて、利用者が増えるほどガス代も比例して増え、現在はガス代が高騰している点も頭に入れておくと良いかもしれません。
イーサリアムの送受金をするとき
まず、イーサリアムを送受金するときにガス代が発生します。
イーサリアムを購入するときはもちろんのこと、イーサリアムからポリゴンやビットコインなど、他の通貨に変換するときにもガス代は必要です。
したがって、イーサリアムが動くときに手数料としてガス代がかかると思っていただいて問題ありません。

NFTの売買を行うとき
現状のNFTではイーサリアムネットワークを使うため、NFTの売買を行う場合にもガス代がかかります。
販売者だけでなく、購入者にも手数料が必要な点を押さえておきましょう。

NFTを発行するとき
NFTの売買に限らず、NFTを発行するときにもガス代がかかります。
したがって、売れていないにもかかわらず、手当たり次第に発行することはおすすめしません。
NFTは個人でも簡単に発行できるからこそ手軽で、その点が強みです。
しかし、簡単だからと言って発行しすぎると、手数料が膨れ上がって大変な目にあう可能性があります。

主要ネットワークのNFTガス代比較

NFTのガス代は主要ネットワークによって異なります。
イーサリアム・Polygon・ポルカドットといった、主要ネットワーク3つに絞って相対的な価格をまとめてみました。
イーサリアム | Polygon | ポルカドット | |
NFT出品 | 高い | 無料 | 無料 |
NFTミント位 | 高い | 安い | 安い |
コレクション作成 | 高い | 安い | 安い |
価格変更 | 無料 | 無料 | 無料 |
出品 | 安い | 無料 | 無料 |
入札 | 安い | 無料 | 無料 |


OpenSea(オープンシー)のNFTガス代はいくら?主要NFTマーケットプレイスとの比較


OpenSeaと、他のマーケットプレイスにおけるガス代を確認しておきましょう。
OpenSea | Coincheck NFT(β) | Foundation | Rarible | HEXA | |
NFT出品 | 2$ | - | 11$ | - | - |
NFTミント | - | - | 11$ | 17$ | - |
コレクション作成 | - | - | 8$ | - | - |
価格変更 | 1$ | - | 1$ | 1$ | - |
出品 | 15$ | 3$ | 12$ | - | - |
入札 | 18$ | 3$ | 3$ | 11$ | - |
※2022/3/15 18時(参照:https://www.gwei.at/)
OpenSeaでは、NFTへ初めて出品する場合と価格を下げるとき、あとは表にないものの、冒頭で触れたようにNFTを売買するときにガス代がかかります。
また、以下のマーケットプレイスについても、それぞれの特徴を端的に解説していきます。
- Coincheck NFT(β)
- Foundation
- Rarible
- HEXA
Coincheck NFT(β)
Coincheck NFT(β)は、日本最大手の仮想通貨取引所であるCoincheckが運営しているNFTマーケットプレイスです。
特徴として、購入時のガス代が不要な点が挙げられます。
SKE48のトレカやSorareなど、他のマーケットプレイスでは取り扱われていないものが多いです。
イーサリアム以外でも取引できて、日本円で入金することも可能なので、比較的取引しやすいマーケットプレイスです。
購入時にガス代がかからないといったメリットがありますが、販売手数料は10%と高めに設定されています。
また、主なユーザーが日本国内に多いので、取り扱っているアイテム数は多くありません。
- Coincheckの口座があればそのまま利用できる
- NFT出品・NFT購入のガス代は不要
- 入庫・出庫にはガス代がかかる

Foundation
Foundationは、クリエイターが招待制であるため、それなりに質の高いアイテムが多いです。
取り扱われている作品としては、絵・写真などアート性が高いものが多く、トレカ・ゲームなどはあまり見られません。
作品の質が高い分、ガス代も高い傾向にあります。
また、ガス代が発生するタイミングもブロックチェーンを操作する度であり、発生頻度は高いです。
- 販売形式がオークション限定
- 平均取引額が他NFTマーケットプレイスより高め
- ガス代のかかる操作が多い
Rarible
Raribleは、独自のガバナンストークン「RARI」を発行しているNFTマーケットプレイスです。
NFT売買で取得したRARIを使うことで、新機能や手数料に関する提案ができるようになります。
手数料は比較的安めですが、クリエイター側だけでなく、コレクター側にもガス代が発生する点は注意が必要です。
一部の取引については、VISAやMasterなどのクレジットカードにも対応しています。
- 販売側だけでなく、購入側にも手数料がかかる
- 転売時のクリエイターロイヤリティが最大50%と高い
- 固定価格のアイテムはクレジットカードでの支払いが可能
HEXA
HEXAは、Twitterと連携するだけで簡単に出品・購入ができる手軽なNFTマーケットプレイスです。
クレジットカードを使って日本円でもNFT取引ができるため、仮想通貨取引所の口座を作らなくても簡単にサービスを利用できます。
入札・出品にもガス代がかからないため、タイミングを見測らなくて良いといったメリットもあります。
一方で、販売手数料は20%を超えるため、クリエイターの手取りは少ないです。
- 入庫時・出庫時のガス代が無料
- 出品時・購入時のガス代も無料
- 販売手数料は高い
- 出品が審査制

イーサリアムのスケーラビリティ問題から見る今後のNFTのガス代について

NFTはイーサリアムのブロックチェーンを活用しており、その処理にガス代がかかります。
一方で、イーサリアムはスケーラビリティ問題と呼ばれる、トランザクション混雑による処理能力が低下してしまう問題を抱えていました。
このトランザクション混雑を緩和させるため、最近はガス代が高騰傾向にあります。
しかし、近い将来イーサリアム2.0と呼ばれるネットワーク・アップグレードが考案されており、スケーラビリティ問題を解決するのではないかといった期待が高まっています。
イーサリアム2.0が実現すれば処理速度は飛躍的に上がり、ガス代も抑えられる可能性が高いので、期待して待ちましょう。
NFTのガス代についてよくある質問
NFTのガス代について、よくある質問をまとめました。
これからNFTマーケットプレイスで取引しようと考えている方は、参考にしてください。
- Q.「NFTのガス代を安くする方法はある?」
- Q. 「NFTのガス代が無料のNFTマーケットプレイスはある?」
- Q. 「NFTのガス代の単位は?」
- Q. 「NFTのガス代は確定申告でどう扱われる?」
- Q. 「NFTのガス代が安い時間はいつ?」
Q.「NFTのガス代を安くする方法はある?」

ガス代はそれなりに高いですが、取引の方法次第では安く抑えることができます。
具体的にガス代を安くする方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 1.処理速度を低速にする
- 2.取引時間帯を選ぶ
- 3.手数料が安い取引所を選ぶ
1については、イーサリアムチェーンの取引速度を下げることで、ガス代を節約できます。
低速でも10分以内に処理が承認されることがほとんどなので、急ぎでない限り問題ありません。
2については、イーサリアムチェーンが混雑していないタイミングを狙う方法です。
土曜日の午後など、取引が落ち着く頃を狙って取引することで、ガス代を押さえられます。
3については、できるだけイーサリアムの送金手数料が少ない取引所を選ぶことで、ガス代を抑える方法になります。
特にCoincheckは、イーサリアムの入金手数料が無料で送金手数料も安いのでおすすめです。
Q. 「NFTのガス代が無料のNFTマーケットプレイスはある?」

基本的に、すべての取引においてガス代が無料のNFTマーケットプレイスはありません。
しかし、NFTマーケットプレイスによって、取引ごとにかかるガス代の額も大きく異なります。
頻繁に出品・購入する場合は出品・購入にかかるガス代が無料のOpenSeaを、コレクション作成をする場合はクリエイター側の手数料が安いRaribleを選ぶなど、目的に応じてNFTマーケットプレイスを使い分けましょう。
Q. 「NFTのガス代の単位は?」
NFTのガス代の単位は「GAS」です。
ネットワークの混雑状況によってトランザクションの承認に必要なGAS量は増減し、利用者が多い時間帯にNFTを取引するなら多量のGASが必要となります。
より多くのGASを消費できる設定にしておくとガス代はかかりますが、より迅速なNFT取引が可能です。

Q. 「NFTのガス代は確定申告でどう扱われる?」
NFTのガス代は確定申告で経費として計上できると考えられます。
国税庁の発表によると、NFTの所得・譲渡の目的に応じて税金の区分が変わり、それに係るガス代も経費にできるようです。
詳しくは国税庁のホームページでご参照ください。

Q. 「NFTのガス代が安い時間はいつ?」
NFTのガス代が安い時間は、NFTの取引量が少ない時間帯です。
日本時間でいう「夕方ごろの時間帯」が安くなる傾向にあります。日本の夕方ごろがアメリカの深夜にあたるため、NFTの取引量が減るのです。
ただし、市況によってはガス代が高くなる可能性もあるため、注意しておきましょう。

NFTのガス代まとめ
NFTマーケットプレイスを利用するにあたって、ガス代の存在は切り離せません。しかし、NFTマーケットプレイスによって、ガス代の発生条件や価格が異なります。
同じ取引をしても、NFTマーケットプレイスの違いによりガス代が倍以上変わることもありえます。
どのような取引をしたいかを念頭に置いて、NFTマーケットプレイスを選びましょう。
- ガス代は、イーサリアムチェーン利用時に発生する手数料で、需要量によって変化する。
- NFTマーケットプレイスを利用するにはイーサリアムが必要。
- イーサリアムを購入するにはCoincheckがおすすめ!

(監修者)佐野 孝矩 https://www.sikaku-no-iroha.co.jp/
日商簿記2級・FP2級・情報処理安全確保支援士・3級ウェブデザイン技能士 一部上場企業での経理・SEの実務実績に加え、個人事業主として2年、法人経営として1年の経験を通し、会計・セキュリティ・教育の面での助言・サポートをさせていただきます。大企業と小規模企業の両方を経験しているからこその視点でお役に立てればと思います。